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空の向こうにいけば、人間になれる――。
シンギュラリティを起こした機械群に支配された地球。
人類はその片隅で、息を潜めて生き長らえていた。
“運び屋”の元に、依頼が舞い込む。
それはシンギュラリティ機械群の影響を受けない、 代用家族として開発された少女型アンドロイドを輸送して欲しいというものだった。
てんで世間知らずな少女の行動に嫌気がさしながらも、運び屋は旅を始める。
時には略奪を繰り返す人間から逃げ、時には機械群が闊歩する危険地帯を通り抜け、 輸送依頼を果たそうとする。
少女は何度も人間になりたいと口にする。
空を貫くようにそびえる軌道エレベーターの先で、 アンドロイドは人間になれると言うのだが……?